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            近 懐 冗 歌 集 抄

           伊藤 卓雄(埼玉県所沢市)

 表題の冗歌集は,日々脳裏に浮かぶよしなしごとを社会戯評と自省で綴るブログ代わりの短歌集。31文字で書き連ねるだけで,和歌というには雅趣に欠け,狂歌と呼ぶには滑稽・皮肉が足りないため,「冗歌集」と称し,最近の世相に触れての感触を詠むという趣旨で,「近懐」を冠した。「金槐和歌集」のモジリである。蜀山人(江戸時代天明期の狂歌師・御家人)の作風を気取るも,ヒネリ・モジリは浅薄な代物である。
 筆者は,6年前に大病(大動脈解離)を患い,以降は,療養・静養中心の生活に終始し,社会活動からは遠ざかって久しいが,社会の動静に無縁ではおれず,行動がままならない分,歯がゆい思いをしながら,徒食の日々を過ごしている。そんな中での戯評なので偏りは否定できないが,近々数年の作品を,時系列は無視して項目ごとに拾い出してみると,次のようなものになり,対象事象の内容や折々の心の動きが鮮やかに蘇ってくる。愚作ではあるが,ご披露して,記録にとどめたい。
〔国内政治〕
● 解散になれば皆がオレオレさ だまされまいぞ 振込むまいぞ
● 石橋を叩いて渡る「あべかわ」の 粉(こな)を捏ね捏ね蕎麦はモリカケ
● やめるだけ 入試改革花見会 休校休業自粛の要請
● 桜見る会の名簿がまずければ 桜見るバカ 名簿切るバカ
● 加計学園森友学園賭け麻雀 「かけ」ばっかりじゃ 仕事にならん
● 黒い皮ジャンパー脱げばただの人 賭け麻雀とは依存症だよ
● 夫婦して大金配る間抜けもの 当選してもやがて奈落へ
● 戦争はしない・させない政治の役目 分からぬ諍(いさか)い 国益害す
● 白銀も黄金も珠も子に如かずと 言いたくあれど 頼れぬ世ぞ憂し 〔コロナ対策〕
● 年寄りにゃステイホームは当たり前 言われなくともとっくにやっとる
● 対策の見かけを競うコロナのか 宣言解除の前夜の確執
● ウイズコロナ アフタコロナに煽られて 委縮自粛でコロナ鬱かも
● 休校と休業要請渡航の禁止 だめだめ不満は マスクで覆う
● GOTOに あれこれ足して元気出せ コロナ対策多少進むか
● GOTOは行き詰まったり菅政権 年末年始は全国停止だ
● 新日常(ニューノーマル) 探しあぐねつ凡々の 日々を重ねて歳末近し
● 一年を コロナコロナでオロオロ過ごし 五輪の年の無事祈るのみ 〔国際政治〕
● 正恩とトランプ稀代の役者立つ DMZ(非武装地帯)は世界を隔つ
● 両首脳 隔てるラインはいみじくも 発熱レベルの38度
● 香港の自由を奪う習政権 「一国二制度」骨抜きにして
● 外(と)つ国のリーダー選びの哀しきは 口を極める泥仕合ぶり
● 米国のリーダー選びの混沌は 世界に禍(わざわい)もたらす恐れ
● twitterで世界を惑わし禍(まが)拡げ 票に追われる大統領職 〔事件〕
● 天災は忘れず次々やってくる あれこれ準備が整わぬ間に
● 風水害地震があれば飛んでいき ねじり鉢巻き一心助(たす)け
● 京アニの名の輝きよ 灰燼に帰して 世界の宝とぞ知る
● 美しき物は滅びる定めかな 首里城焼失惜しむに余る
● アフガンの 僻地に導水生涯懸けた ドクトル中村凶弾に逝く
● 窮(きわ)まりて子を殺(あや)めたる父親の 哀れ極(きわ)まる 誰をか責めん
● 遠来の除夜の鐘の音よく聞けば 驚くなかれゴーンウイズザウィング 〔快挙〕
● リチュウムの研究一筋吉野さん 見事ノーベル賞に輝く
● 「りゅうぐう」の岩石採取し持ち帰る 偉業成し遂ぐ はやぶさⅡ(two)は 〔自省〕
● 目はかすみ声もかすれて耳遠く 足はもつれてやになっちゃうよ
● 高齢で虚弱になることフレイルと 学会名付くる 我はフルエル
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