《自由広場》 疑惑にまみれた「桜を見る会」
武田 喜治(東京都杉並区)
この春先から新型コロナウイルス感染問題の対応に隠れる形で「桜を見る会」はその影を潜めてしまったが,私はここで敢えてこの問題を取り上げたい。
首相主催の「桜を見る会」は,税金の私物化という批判のほかに数々の疑惑や疑問点が浮かんでいる。ここではさしあたり招待者名簿の問題といわゆる前夜祭をめぐる疑問点について取り上げてみることにしたい。
1.招待者名簿について
2019年度の参加者は1万8200人,一番の問題は招待者名簿が廃棄されたということである。内閣府によれば,「招待者名簿は使用目的を終え,個人情報を適切に管理するために2019年5月9日に廃棄処分したので存在しない。だから詳しいことは分からない。」という。しかし,この5月9日という日は野党の国会議員が資料要求した日である。その日に廃棄したとはあまりにも偶然すぎる。また国費の支出が適正か否かを検証するために招待者名簿は欠かせないので「用済み廃棄」という説明も不自然で,あってはならないことである。
内閣府がどうしても廃棄したと主張するなら,廃棄の決裁文書を示す必要がある。組織としての決裁を受けない限り,担当者の判断で廃棄できないのだから。
内閣府の説明はあまりにも不自然で,疑問点が多すぎる。結局のところ,実際には招待者名簿は存在し,公表すると都合が悪いので「廃棄したことにしている」可能性が高いように思う。内閣府は国民を納得させる説明が必要である。
2.いわゆる前夜祭について
「桜を見る会」にはいろいろな問題がある。しかし,最大の問題は前夜祭の収支に関する問題である。なぜなら,その収支が政治資金収支報告書に記載されていない現状が妥当なのかどうかが,問われているからである。もし政治資金規正法上,問題があるということになれば,直ちに首相の辞任問題に発展しかねないだけに問題は深刻である。
首相はいわゆる前夜祭について概ね次のように説明する。「主催者は後援会であるが,契約の主体はホテルと個々の参加者である。安倍事務所の職員が会場で参加費を受け「桜を見る会」にはいろいろな問題がある。しかし,最大の問題は前夜祭の収支に関する問題である。なぜなら,その収支が政治資金収支報告書に記載されていない現状が妥当なのかどうかが,問われているからである。もし政治資金規正法上,問題があるということになれば,直ちに首相の辞任問題に発展しかねないだけに問題は深刻である。 首相はいわゆる前夜祭について概ね次のように説明する。「主催者は後援会であるが,契約の主体はホテルと個々の参加者である。安倍事務所の職員が会場で参加費を受け「桜を見る会」にはいろいろな問題がある。しかし,最大の問題は前夜祭の収支に関する問題である。なぜなら,その収支が政治資金収支報告書に記載されていない現状が妥当なのかどうかが,問われているからである。もし政治資金規正法上,問題があるということになれば,直ちに首相の辞任問題に発展しかねないだけに問題は深刻である。 首相はいわゆる前夜祭について概ね次のように説明する。「主催者は後援会であるが,契約の主体はホテルと個々の参加者である。安倍事務所の職員が会場で参加費を受け取った際,ホテル側の領収書を手渡し,受け取った現金はその場でホテル側に渡した。だから,後援会には一切の収支が発生していないので,政治資金収支報告書に記載する必要がない」との説明を繰り返している。
しかし,この説明には不自然さや国民の常識に反したことが少なくない。いくつかの疑問点をあげれば,
まず,ホテル側と800人もの参加者との個々の契約など現実的でない。契約の重要な要素の一つである価格については安倍事務所がホテル側と話し合って決めたものであって,個々の参加者がホテル側と話し合ったものではなく,主催者側とホテル側との契約と考えるのが自然である。
次に,ホテルと参加者との契約というのであれば,参加費はホテル側が個々の参加者から受け取ればよいこと。なぜそこに安倍事務所が介在してホテル側に代わっていわば「代理受領」する必要があるのか。ホテル側が代金の受け取りを第三者に依頼することは常識的に考えにくいので,安倍事務所の都合によるものと考えられ,ここに一定のからくりや問題を解く鍵があるのではないか。しかし,首相は「代理受領」した理由と目的を説明しようとしない。
さらに,「主催者が会費を集めてホテル側に一括して支払うのが常識」として,会場での現金のやり取りそのものを疑問視する一般的な見方もある。たしかに,ホテル側が大量の領収書を事前に第三者に渡すことも常識的には考えにくい。
このように,参加費の受払がホテルの会場であったのか否か,もしあったのなら, 安倍事務所がホテル側に代わって「代理受領」した理由や目的は何だったのかが問われている。
いずれにしても,問題の焦点は前述のように主催者側に前夜祭の収支があったのか否かである。この点について首相は単に従来の説明を繰り返すのではなく,ホテル発行の明細書や領収書などの物証を示すことによって国民が納得する説明を行うことが強く求められている。
一刻も早く新型コロナウイルスの感染が終息し,国会もこの問題の真相究明に取り組むようになることを期待したい。
武田 喜治(東京都杉並区)
この春先から新型コロナウイルス感染問題の対応に隠れる形で「桜を見る会」はその影を潜めてしまったが,私はここで敢えてこの問題を取り上げたい。
首相主催の「桜を見る会」は,税金の私物化という批判のほかに数々の疑惑や疑問点が浮かんでいる。ここではさしあたり招待者名簿の問題といわゆる前夜祭をめぐる疑問点について取り上げてみることにしたい。
1.招待者名簿について
2019年度の参加者は1万8200人,一番の問題は招待者名簿が廃棄されたということである。内閣府によれば,「招待者名簿は使用目的を終え,個人情報を適切に管理するために2019年5月9日に廃棄処分したので存在しない。だから詳しいことは分からない。」という。しかし,この5月9日という日は野党の国会議員が資料要求した日である。その日に廃棄したとはあまりにも偶然すぎる。また国費の支出が適正か否かを検証するために招待者名簿は欠かせないので「用済み廃棄」という説明も不自然で,あってはならないことである。
内閣府がどうしても廃棄したと主張するなら,廃棄の決裁文書を示す必要がある。組織としての決裁を受けない限り,担当者の判断で廃棄できないのだから。
内閣府の説明はあまりにも不自然で,疑問点が多すぎる。結局のところ,実際には招待者名簿は存在し,公表すると都合が悪いので「廃棄したことにしている」可能性が高いように思う。内閣府は国民を納得させる説明が必要である。
2.いわゆる前夜祭について
「桜を見る会」にはいろいろな問題がある。しかし,最大の問題は前夜祭の収支に関する問題である。なぜなら,その収支が政治資金収支報告書に記載されていない現状が妥当なのかどうかが,問われているからである。もし政治資金規正法上,問題があるということになれば,直ちに首相の辞任問題に発展しかねないだけに問題は深刻である。
首相はいわゆる前夜祭について概ね次のように説明する。「主催者は後援会であるが,契約の主体はホテルと個々の参加者である。安倍事務所の職員が会場で参加費を受け「桜を見る会」にはいろいろな問題がある。しかし,最大の問題は前夜祭の収支に関する問題である。なぜなら,その収支が政治資金収支報告書に記載されていない現状が妥当なのかどうかが,問われているからである。もし政治資金規正法上,問題があるということになれば,直ちに首相の辞任問題に発展しかねないだけに問題は深刻である。 首相はいわゆる前夜祭について概ね次のように説明する。「主催者は後援会であるが,契約の主体はホテルと個々の参加者である。安倍事務所の職員が会場で参加費を受け「桜を見る会」にはいろいろな問題がある。しかし,最大の問題は前夜祭の収支に関する問題である。なぜなら,その収支が政治資金収支報告書に記載されていない現状が妥当なのかどうかが,問われているからである。もし政治資金規正法上,問題があるということになれば,直ちに首相の辞任問題に発展しかねないだけに問題は深刻である。 首相はいわゆる前夜祭について概ね次のように説明する。「主催者は後援会であるが,契約の主体はホテルと個々の参加者である。安倍事務所の職員が会場で参加費を受け取った際,ホテル側の領収書を手渡し,受け取った現金はその場でホテル側に渡した。だから,後援会には一切の収支が発生していないので,政治資金収支報告書に記載する必要がない」との説明を繰り返している。
しかし,この説明には不自然さや国民の常識に反したことが少なくない。いくつかの疑問点をあげれば,
まず,ホテル側と800人もの参加者との個々の契約など現実的でない。契約の重要な要素の一つである価格については安倍事務所がホテル側と話し合って決めたものであって,個々の参加者がホテル側と話し合ったものではなく,主催者側とホテル側との契約と考えるのが自然である。
次に,ホテルと参加者との契約というのであれば,参加費はホテル側が個々の参加者から受け取ればよいこと。なぜそこに安倍事務所が介在してホテル側に代わっていわば「代理受領」する必要があるのか。ホテル側が代金の受け取りを第三者に依頼することは常識的に考えにくいので,安倍事務所の都合によるものと考えられ,ここに一定のからくりや問題を解く鍵があるのではないか。しかし,首相は「代理受領」した理由と目的を説明しようとしない。
さらに,「主催者が会費を集めてホテル側に一括して支払うのが常識」として,会場での現金のやり取りそのものを疑問視する一般的な見方もある。たしかに,ホテル側が大量の領収書を事前に第三者に渡すことも常識的には考えにくい。
このように,参加費の受払がホテルの会場であったのか否か,もしあったのなら, 安倍事務所がホテル側に代わって「代理受領」した理由や目的は何だったのかが問われている。
いずれにしても,問題の焦点は前述のように主催者側に前夜祭の収支があったのか否かである。この点について首相は単に従来の説明を繰り返すのではなく,ホテル発行の明細書や領収書などの物証を示すことによって国民が納得する説明を行うことが強く求められている。
一刻も早く新型コロナウイルスの感染が終息し,国会もこの問題の真相究明に取り組むようになることを期待したい。
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