有限会社 三九出版 - ラバーネック爺たらん


















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☆〔新作●現代ことわざ〕 
        ラバーネック爺たらん 

             山下 定利(千葉県千葉市) 

 高齢者の健康・長寿のための提言である。
 私は83歳,年男である。壮年期に比べ,知力も体力も,著しく低下したことを実感している。メディアは体力向上の方をとり上げて喧しく,さまざまなエクササイズを提案している。しかし,講師が多彩で,夫々スタイルがあって,年寄りには記憶されないようである。
 一方,知力の方はというと,メディアがとり上げることは,殆んどない。ところがNHKが特集で,高齢者の長寿のためには,「知力を高めることこそ大切」と紹介したらしい(孫引き)。
 それでは,「知力」とは何ぞやとなる。私は,これを「好奇心と,その対象(テーマ)の深堀り」と定義する。ここに「深掘り」とは,好奇心を満足させるためにする行動,もう一歩の追求である。
 肝心の「好奇心」については,40年程前の貴重な思い出がある。米国の石油会社の研究所を訪ねた折の話である。事務屋の私にとって,研究所は「知の府」というべきもの。折角の機会であったから,質問を連発した。
 質疑応答が一段落したとき,研究所の幹部が「貴殿はラバーネック。研究者が具えるべき,必須の資質をお持ちだ」と。その時,私と,技術屋で駐在員の相棒は,このラバーネックなる単語を知らなかった。辞書には「好奇心が強い(人)や物見高い」とあり,「米用語,俗語」の注書きがあった。因みに相棒は,その後,研究所長になる優秀な男で,「研究者は問題を解くことも大切だが,課題を見つけるという,高い好奇心こそ大切だ」と話していると,通訳するのだった。
 これ以来「ラバーネック」は,わが愛すべき言葉となる。ビジネスの面でも,課題を見つけ,その改善・解決のための行動と理解し,40余年が過ぎたことになる。
 そこで,現在のわが好奇心を紹介しよう。
  ◉ 懸案の発明を完成させたい。既に10年,取り組んでいる。
 重ねて,好奇心こそ長寿のもとと言いたい。スローガンは『ラバーネック爺たらん』である。 
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