有限会社 三九出版 - 悪戦苦闘の末の喜び


















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☆<BOOK REVIEW> 

                「病める日本―診断とその治療法」 
             ◉著者の思い◉ 悪戦苦闘の末の喜び 

             白井榮一(千葉県流山市) 

 昨年の初めごろ,いつも送られてくる「本物語」と同封されて「三九Booklet」原稿募集のチラシが入っていた。これに目を通した時は他人事のように思っていたが,夏になって大学の同期会で庄子さん(三九出版)からその企画の詳細についての話を聞き,さらに「この企画は執筆者の“自費出版”の形をとるので執筆と販売のご協力もお願いしたい」との依頼,お誘いを受けて,執筆には協力出来ないが本が完成したら購読することの協力はできると思った。
 ところが今度は初秋になって私にも一文書くようにとのお誘いがあった。文章を書くのが苦手なので固辞したが,再度,再再度のお誘いに断り切れずに書くことを引き受けてしまった。引き受けたはいいけれども,何をどう書いたらいいのか,文章の構想ができずに苦しむことになった。
 数日考え込んでいるうちに「今の日本がおかしいと思われることを,その思われているまま, 友達にでも話すように気楽に書いてほしい」と言われたことを思い出して,自分が気になっている今の日本の社会,とりわけ地域社会の人間関係の希薄さについて書いてみようと考えた。しかし,いざペンを取って原稿用紙に向かうとなかなか筆が進まない。気持ちが落ち着かず,日常処理しなければならない事を沢山遣り残してしまったりした。そうして約2か月間苦しんでやっと拙文を書き上げ,届けることができた。その時は本当に肩の荷を下ろし,ほっとした気持ちになった。
 現金なもので,書き終えると急に気持ちが楽になるとともに本の完成が楽しみになった。そして,今年1月末になって待望の本が出版され,私の手元にも「病める日本 ― 診断とその治療法」(三九Booklet・第1巻)が到着した。自分の文章がどのような活字になっているか,うれしさ半分怖さ半分の入り交じった複雑な気持ちでページを開き,一読した。自分の至らない文章でも活字になれば少しは見映えが良くなっており,面はゆい反面,眩しくも感じた。
 本書には18名の方が執筆されているが,私以外の方々は知識が豊富でよく研究されておられるように感じた。また硬軟織り交ぜて並ぶ文章群の中には一読だけでは難解なものもあるが,それは繰り返し読むことで興味が湧き,楽しむことができた。こうした中に私の拙文を入れて頂いたことを不相応と思いながらも嬉しく思っている。 
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