有限会社 三九出版 - 目標をもてば生き生きする笑顔


















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                 目標をもてば生き生きする笑顔

                           田中 富榮(徳島県徳島市)

 女流評論家であり,源氏物語の朗読をテレビで始め「村山源氏」で有名だった「村山リュウ」さんが老いの生き方を話された番組があった。「私はマンションの3階で独り住まいをしていますが,84歳の誕生日を迎えたのを機にもう一階上の4階へ居を移しました。エレベーターを使用せず階段を上って足腰を鍛え,人に甘えず自分に厳しく生きる。その気持ちが老後を生きてゆく上で大切なのです」。まだ若かった私は老いてゆくと人に甘えても許されると思っていたがそうではなく,自分を鍛え人に頼らず自立精神を持ち強い人間になることが必要なのだと,ずし!っと心に響いた。その言葉は何十年経っても忘れられず,私に生き方の「座右の銘」になっている。
 私は誕生日がくると「喜寿」を迎える。今リュウさんの言葉が現実となってしみじみと胸に応える。日々足腰の衰えを感じるし感性も鈍ってきた。自分に甘えが出るとすぐボケが迫ってくるような不安がある。老いの克服は自分との闘いである。現在私の趣味は「生け花」「川柳」「随筆を書くこと」。中でも書く楽しみは,大空に飛び込んで大宇宙を駆け回っているような夢の世界に私を誘ってくれる。私は過去に一冊自分史を書いて出版した。徳島新聞の夕刊にコラムを18年間連載したのを本にまとめたのである。そして退職後高野山でご詠歌を習っていた関係で,高野山教報に11年間随筆を書かせて戴いたので,昨年6月に2冊目の本を出版した。長い間手書きで原稿用紙に向かって書いていたが,あるとき「本物語」に執筆されている筆仲間のTさんが,パソコンの便利さをご紹介してくださった。72歳にして初めてパソコンを勉強し,以来原稿をパソコンで打ってはコピー貼り付けで高野山教報部へ届けていた。パソコンは手書きとは比べものにならないくらい便利であり,文章の作成や修正が自由自在にできるし,何でも調べられる。インターネットの楽しさも覚えた。私はパソコンが大好きになって今では私の生活になくてはならない必需品である。老人だからパソコンを扱うのは無理だと世間では思われがちだが,齢に関係なく意欲さえあれば出来るのである。パソコンは七十代の私の生活に革命をもたらせてくれた。視野が広がり人生が何倍も楽しくなった。


 
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