有限会社 三九出版 - なるにまかせて,生き生きと


















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還暦盛春駆ける夢
                  なるにまかせて,生き生きと
                         瀬古 文男(愛知県名古屋市・三重県紀北町)

  団塊の世代である私は,還暦を経て既に5年,盛春を馳せるとは遠い存在かも知れませんが,夢や希望を失せることなく,生涯心輝く青春でありたいと願っています。
 この世は僅かな間,生かされた仮の世の借り受けの身であり,生かされている限りその恩に報い自分に与えられた使命を全うする外ありません。そしてその使命が果たして何であるか模索するのが私達のご修行かも知れません。60代半ばまで生かされ,失敗の連続で培ってきた様々な体験を社会にどう活かして還元していけるのか,やるべきコトは身の回りに山ほどあるやに思います。
 ひと様の前に自身の過去・現在を棚卸しして披瀝するのは,いささか心が引けますが,読者の中で一風変わった一部の皆様には僅かでも共感と勇気を持って力強く歩んで戴く一助になればとの思いで筆を取りました。

 私にも多くの人があるように幾度かの転機がありました。?大学は山岳部卒・大けが ?コンピュータの販売,利用促進(16年間)・大けが ?企業の人財開発(協育)事業起業(10年間) ?山奥での自然と共生「きこり」生活(森林保全ボランティア,炭焼き/14年間) ?山から海に拠点を移し熊野古道の保全整備ボランティアに馳せる(2年目)……なるにまかせた180度異なる方向転換の時は,新たなことにワクワクして取り組み,どうせやるなら,楽しくおもしろくその道のプロを目指そうとしました。最初からのプロはいませんので謙虚に人から学び,自分でも失敗しながら試行錯誤してきました。チャレンジ(挑戦)とクリエーション(創造)を忘れず,勇気を持って幾度かのチェンジ(変化・脱皮)をしてまいりました。
 どの“脱皮”の時も,登山のように「最初の一歩」「一歩一歩」を大切に,一歩登れば景色は変わり,一つ山を越えたらさらに次の山が見えます。同じチャンスは二度訪れることはありません。ここぞと出番が回ってきた時,集中して取り組む。新しい仕事も登山のように「いのちがけ」で取り組んだら3年で光明が見え,6年ほどでセミプロ又はプロになれると思います。

 いま,私達を取り巻く環境は,1年前の大地震・津波・原発放射能災害からの困難な復興,そのための財源確保,新エネルギーの確保,山村・漁村の過疎高齢化による林業・漁業の衰退,団塊の世代664万人が年金受給者になり生産年齢層の激減による年金制度が破綻寸前……と,かつてない山積する問題の対応に政治・経済・社会も困惑しています。
 日本人は,高度成長期の延長線上で,利便性・安楽性を追い求め続け,利己的で汗をかいて働くことを忘れてしまい,心通わぬ虚像の都会砂漠が形成されています。ほんの一握りの人が,この都会の不自然さに嫌気がさし自然と共生しようと移動しています。自然が残る屋久島にも移住する人が増えています。
 日本国土の70%が山林であり,世界に冠たる森を持っています。ただ,人工林の手入れの放棄によりその荒廃はすさまじく,山の保水能力が低下し,大雨や地震で山は崩れ山里を襲っています。一方,屋久島をはじめ残されている天然林の森は,針葉樹,広葉樹,照葉樹がバランスよく絡み合い,動物も含め3千年,7千年の周期でゆったりと共存しています。こうした森の樹木を多目的有効に保全活用し,森と共に国土と国民の本当の幸福,健康・安全を守る必然性があります。

 さて,人生もあと僅かと思われる時間をいかに充実して過ごすのか。私の場合,大きな流れに身を任せて,「なるにまかせて」の人生ですが,あえて私のいまの想い(テーマ)を挙げれば,?ガタガタ,ボロボロになった身体をもう一度甦らす。 ?森,道の保全ボランティアと登山,ウォーキング,巡礼の続行。 ?困っている人へのささやかな助太刀,寄り添い,お役立ち これらを,人がやられていない方法で青春のきらめきアドベンチャーとして,面白く取り組み,一日一日を大切にかつ自悠に心を燃やしたいと思います。
「生き生き人生」には,常に「人(仲間)と自然」と向き合い,分かち合い,支え合う必要があり,人とのコミュニケーション,自然との調和を切り離すことはできません。我欲を捨て,人や自然とうまく共存共栄していく道が求められています。私は,近未来は若い人にできるだけ負担をかけないよう早めに現世から無銭宇宙旅行への旅立ちをと思っていますが,それまではこの共生の道を真っ直ぐに進みたいと思います。
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